注文住宅と建売住宅はどっちがいい?
敷地を所有していない人が戸建住宅に住もうとすると、手っ取り早く建売住宅を購入するか、住みたい地域に土地を購入してハウスメーカーに住宅を建ててもらうことになります。建売住宅でも注文住宅でも、住まいを持つには大きなお金がかかるものですから、より理想を叶えられる方を選びたいですよね。
住まいを購入する年代は家計で最もお金のかかる時期
戸建住宅に住もうとしても土地を持っていないサラリーマンになると数千万円単位の資金が必要になります。最近は不動産価格が一段と値上がりしているので親の代からの贈与や相続でもなければとても自己資金だけで間に合いません。
多くのサラリーマンはほとんどを金融機関の住宅ローン融資を頼るしか方法がありません。地方と比べると大都市圏になれば地価が一段と高くなるのでサラリーマンにとって住まいを構えることが一生に一度の事業だといわれる所以です。
住まいを持とうとする年代の人は30代から40代で、学童期の子どもの成長期にぶつかるケースが多いようです。また、この年代のローン返済時期は子どもの教育などに最もお金の必要な時期にもちょうど重なります。従って、ローン借入を行うと家計のバランス取りにリスクを抱えながら仕事に励まなければならない時期になるのです。
そこで、サラリーマンは年収で無理なくローン返済できそうな借入額をシミュレーションしてはじき出しています。このため、現役を引退する前後にやっとローンを完済するケースが多くなるようです。
借入額で無理をしたりしてローン返済途中で返済できなくなり任意売却しなければならないケースが出ていることは誰もがよく知っていることです。そこで、ハウスメーカーは買主側のこうした家庭状況に寄り添い、一般的なサラリーマンの懐具合を見透かすかのような販売価格の建売住宅を売り出すことが多くなっています。
狭小地にミニ戸建ての3階建てが定番の建売住宅
最近、首都圏などには工場など、まとまった広さの移転跡地の得られるケースが少なくなりました。そこで、ハウスメーカーなどは以前ならほとんど目を向けなかった小高い丘や崖のような場所を造成して平地にした一帯をミニ団地開発しています。
高度経済成長時代のような大規模開発した土地に住宅団地を建設するプロジェクトはなくなりました。こうして、地価の高い首都圏などに増えてきたのが20~30坪程度の狭小地に建てられるミニ戸建ての3階建て建売住宅です。
その結果、変形した区画の敷地にロフト付き住宅の立ち並ぶ地域が各地に点在するようになりました。敷地がこれ以上小さくできない位迄小さくし、これ以上安く建てられないレベルまで安普請型の住宅が売り出されています。
3,4人家族用の間取りが3LDKや4LDKといっても延べ床面積が90~100m2程度ですから、リビングルームを広くしただけで各居室は4.5~5畳しかありません。これでは机とベッドを入れたら一杯なので、このようなミニ戸建てに引っ越しても住宅事情がよくなったとはいえないでしょう。
土地を持っていると余裕をもって建てられる注文住宅
一方、昔から首都圏に在住して土地を持っている人が古い家を建て直すケースも散見されます。住宅だけ建てるのであれば自己資金だけで建てる人もいますが、住宅ローン借入をして家族の希望を取り入れた注文住宅を建てる人もいます。敷地を持っていない人と比べると住宅建築だけに資金を投入すればよいので、内装や外装に家族の希望を盛込んで注文住宅を建てられます。
首都圏では地価が高いので敷地を購入する人と比べれば数千万円単位の住宅ローン借入をしないで済みます。従って、間取りだけでなく部屋の仕様やサイズも建売住宅より余裕を持って建てられるはずです。内外装の使用材料に凝ったり、和室に床の間をつけ、浴室にゆったり入浴できるバスタブを設置したりすればコストが嵩んでいきますが土地代の負担がないと住宅ローン借入が少なく済むので楽でしょう。
このように土地持ちであれば建売住宅を購入するより余裕のある住宅に住めることになります。この点が注文住宅と建売住宅の大きな違いでしょう。
最近、大都市圏、とくに首都圏では小高い丘や崖のような場所を造成して平地にした一帯をミニ団地開発して建売住宅を売り出すケースが増えています。こうした開発地域では20~30坪程度の狭小地に建てられるミニ戸建ての3階建て建売住宅が定番のようです。
一見して瀟洒に見えますが価格を抑えた販売姿勢が目立ちます。これは買主側の購買力を見据えたハウスメーカーの経営方針でしょう。
一方で、昔から大都市圏に在住して土地を持っている人が古い家を建て直すケースでは敷地を持っていない人と比べると住宅建築だけに資金を投入すればよいわけです。そこで、間取りだけでなく部屋の仕様やサイズも建売住宅より余裕を持って建てられるので内装や外装に家族の希望を盛込んだ注文住宅が建てられます。
このように、住まいについても地価の高い地域に土地を持っているか否かで大きな住まい格差が生じているようです。
