防犯性の高い注文住宅を建てるには?
注文住宅を建てる際、防犯面を考慮することは重要です。不審者の侵入を防ぐ家づくりをするためには、侵入されやすい家の特徴を知った上で対策を考えるのがよいでしょう。本記事では、不審者に侵入されるリスクの高い家の特徴と、侵入を防ぐための具体的な対策についてくわしく解説します。
侵入されやすい・狙われやすい家の特徴とは
防犯対策を考える際に、どのような家が空き巣や侵入者に狙われやすいのかを理解することが重要です。空き巣は、住んでいる人の防犯意識が低く、侵入しやすい家を好みます。以下の特徴を踏まえ、しっかりと対策を行うことが被害を防ぐ第一歩となります。
留守が多い家
家主が旅行などで長期間不在であることが明らかにわかる家は、空き巣に狙われやすくなります。乾いた洗濯物がベランダや庭に干しっぱなしになっていたり、郵便物がポストに溜まっていたりする場合、第三者から見て留守であることが一目瞭然です。
また、共働きの家庭も住人が不在にする時間が長くなるため、注意が必要です。空き巣は誰もいない時間帯を狙って侵入するため、留守がちな家ほど危険性が高まります。
防犯対策が不充分な家
セキュリティ対策が充分ではない家も、侵入者にとって格好の標的です。たとえば、鍵口がひとつしかない、古い鍵やドアが使われている、窓の施錠がかんたんに外れるといった家は、侵入しやすいと判断されます。
また、防犯カメラやセンサーライトが設置されていない家は、侵入者がリスクを感じずに行動できるため危険性が増します。
外部から見えにくい・見られるリスクが少ない家
外部からの視界が遮られている家は、住人のプライバシーが守られるものの、防犯面では大きなリスクを抱えています。高い塀や密集した植木がある場合、空き巣が侵入しても外部から気づかれにくいため、犯行が行われやすくなります。
また、人通りが少ない場所にある家や隣家との距離が遠い家も同様に危険です。侵入者にとって、人目を気にせず犯行におよべる環境は非常に都合がよいのです。
こうした状況を避けるためには、塀や植木の高さ・密度を適度に保ち、視界を確保する工夫が必要です。
防犯に強い家づくりの設計ポイントとは?
家の安全を守るためには、間取りの工夫が重要です。とくに侵入経路になりやすい窓や玄関などのポイントに防犯対策を施すことで、家族の安全を確保できます。ここでは、家のなかの場所別に取るべき対策を解説します。
窓の防犯対策
窓は空き巣が侵入しやすい場所のひとつです。リビングの掃き出し窓は、敷地内の視界が開けた場所に設置し、外部から見えるようにするのが望ましいでしょう。加えて、防犯ガラスを取り入れることで、侵入されるリスクを減らせます。
また、バスルームの窓は人目につきにくいため、窓のサイズを小さくしたり、面格子を取り付けたりすることで侵入を防ぎましょう。キッチンのルーバー窓は見た目がスタイリッシュですが、外れやすい構造が弱点です。これを補うために、面格子の設置をおすすめします。
さらに、侵入されにくい高窓や天窓なら採光や通風の面もクリアできるのでおすすめです。
玄関の防犯対策
玄関は防犯の要です。まず、訪問者を確認できるインターホンを設置しましょう。鍵はピッキング対策が施されたものを選ぶのが基本です。
扉付近にガラスを設ける場合は、防犯性の高い強化ガラスを使い、鍵に手が届かない設計にすることが重要です。
ベランダ・バルコニーの工夫
ベランダやバルコニーは、侵入経路として狙われやすい場所です。壁を格子状にするなど、侵入が外部から見える設計にしましょう。また、周囲のガレージ屋根や樹木が足場にならないよう注意が必要です。
玄関や庭など、敷地内に防犯砂利を敷くのもおすすめです。防犯砂利は歩くと音が鳴るため、不審者が音を嫌って侵入を避ける傾向にあります。防草シートと組み合わせれば雑草対策も兼ねることができ、防犯効果と合わせて一石二鳥の効果が期待できます。
注文住宅に導入したいそのほかの防犯対策
注文住宅を建てた後は、外付けの防犯対策を行うことも重要です。とくに窓やベランダは、外部から侵入されやすいポイントでもあるため、次のような対策を取ることで家全体の安全性が向上します。
センサーライトの設置
ガレージやベランダなどに設置をおすすめしたいのがセンサーライトです。不審者がベランダに近づくと自動で点灯するため、侵入を阻止しやすくなります。
ライトが急に点灯することで、不審者は姿を見られるリスクを感じ、侵入を諦めるケースが多いです。住人が夜間にベランダへ出る際もライトが点灯するため、利便性や安心感が向上する点もメリットです。
防犯フィルムの活用
窓が侵入経路になるケースは少なくありません。そこで効果的なのが防犯フィルムです。窓ガラスの内側に防犯フィルムを貼ることで、万が一ガラスを割られそうになっても、ガラスが飛散しにくくなり、不審者の侵入を遅らせることができます。
防犯フィルムは市販品を利用して自分で貼ることも可能ですが、気泡や接着剤の跡が残らないよう、専門業者に依頼するのがおすすめです。高性能なフィルムであれば、強風や台風時の飛散防止効果も期待できます。
防犯ブザーやアラームの導入
防犯ブザーや窓用アラームも有効な防犯対策です。最近では、窓の開閉を感知して大音量のアラームを鳴らす商品や人の動きをセンサーで検知して警告音を発するタイプがあります。これらの防犯グッズは不審者に心理的なプレッシャーを与え、侵入を諦めさせる効果が期待できます。
注文住宅の場合は、あらかじめ防犯システムを組み込むことも可能です。ベランダだけではなく、玄関や1階の窓にも連動させることで、家全体の防犯性を高めることができます。
防犯カメラの設置
防犯対策のなかでも高い効果をもつのが防犯カメラです。防犯カメラを設置しておけば、不審者が侵入した際の証拠になるだけでなく、侵入を未然に防ぐ抑止力としても機能します。
最近ではスマートフォンと連携して映像をリアルタイムで確認できるカメラも多く、利便性が向上しています。
まとめ
空き巣や侵入者に狙われやすい家には共通した特徴があります。防犯対策が不充分であること、留守が多いこと、外部から見えにくいことなどが挙げられます。これらの特徴を理解し、家づくりの際は防犯性の高さを意識して設計するとよいでしょう。また、追加で防犯カメラやセンサーライトの設置、鍵や窓の強化などの防犯対策を講じることでリスクを大幅に減らすことが可能です。
